【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【石川】中能登巡り 自転車で進め 金大生、地図作成や住民ツアー

【石川】中能登巡り 自転車で進め 金大生、地図作成や住民ツアー

ジャンル・エリア : まちおこし | 石川  2022年06月07日

金大生が考案した中能登町のサイクリングマップ(金大2021年度観光学インターンシップ中能登町班提供)

金大生が考案した中能登町のサイクリングマップ(金大2021年度観光学インターンシップ中能登町班提供)

撮影スポット、絵で飲食店紹介「大学生らしさ」重視

 金沢大の学生が、中能登町のサイクリングマップを作成した。マップを利用した初のモニターツアーが5月下旬に開かれ、大学生や地元住民ら約15人が自転車で町内を巡り、魅力を再発見した。コースに含まれている同町能登部上の旧丹後邸では、町内の風景や町並みのスケッチをライトアップした幻想的な作品もお披露目された。マップは道の駅などコース内の施設に配布・設置される予定。 (大野沙羅)

 マップは昨年度、同大人間社会学域地域創造学類の観光学インターンシップ中能登町班の5人が学習の一環で作成した。町内は観光名所を回る公共交通機関が十分機能しているとは言えないとして、自転車を使った「サイクルツーリズム」を構想。川澄厚志准教授の指導で約1年かけ、同町井田の道の駅「織姫(おりひめ)の里 なかのと」を発着し、能登部上の旧丹後邸や能登上布会館、小田中の古民家「みおやの里」などを回る約14キロのコースを完成させた。

自転車で町内を巡る参加者

自転車で町内を巡る参加者

 代表の3年佐藤喜紀さん(20)によると、マップは独自の目線で「大学生らしさ」を重視した。おすすめの撮影スポットとして、古い自販機を「今は使われていない伝説の自販機」と紹介したり、川と山が写真1枚に収まる場所を示したり。曲がる場所には道路の写真を載せ、カラフルな絵で周辺の飲食店や古墳なども分かりやすく紹介している。

 5月21日、コロナ禍や天候不順で延期していたモニターツアーが実現。旧丹後邸では、天日陰比咩(あめひかげひめ)神社や能登部神社、石動山などのスケッチ作品約10点をライトアップ。古くから織物業が盛んな町をPRしようと布にプリントし、薄暗い室内に浮かび上がる色鮮やかな風景画が楽しめる。周辺は町が国の重要伝統的建造物群保存地区選定を目指すアズマダチなどの建築様式の建物が続き、町並みを眺めながら進んだ。

 
旧丹後邸で展示されている風景画のライトアップ=いずれも中能登町能登部上で

旧丹後邸で展示されている風景画のライトアップ=いずれも中能登町能登部上で

 マップを作った3年中川千佳さん(20)は「まとめるのは難しかった。町の良さを伝えられたらうれしい」と話した。マップはさらに改良していく。