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【三重】まちかど博物館・天文、2つの展示会 松阪市歴史民俗資料館

ジャンル・エリア : 三重 | 展示 | 文化 | 歴史 | 自然  2022年06月24日

松阪市内のまちかど博物館の所蔵品が並ぶ会場

松阪市内のまちかど博物館の所蔵品が並ぶ会場

■伊勢おしろいの歴史など紹介

 松阪市内の「まちかど博物館」の所蔵品を集めた展示「松阪まちかど博物館展~館の想~」が、殿町の市歴史民俗資料館で開かれている。各館長が集めた地域に関する資料や、こだわりの制作物など70点が並ぶ。7月3日まで。 (望月海希)

 まちかど博物館は、個人のコレクションや伝統工芸品などを、自宅や仕事場で公開する施設。今回は市内の10館が出品した。

 射和町の「射和まちなか博物館」は、同町でかつて生産されていた「射和軽粉(伊勢白粉(おしろい))」に関する資料を並べる。現在の多気町丹生で採れた水銀を原料に作られた射和軽粉は、化粧品や薬品として重宝され、最盛期の室町時代には80以上の窯元があったとされる。しかし、水銀の産出量の減少に伴い衰退した。

 
木をくりぬいて作られたククサ

木をくりぬいて作られたククサ

 会場では、1953年に廃業した最後の窯元、宮田吉兵衛家に残されていた商品広告や製造道具の写真などを展示している。浜博之館長(81)は「数百年続いた射和の伝統産業を知る機会にしてほしい」と話す。

 他のまちかど博物館は、フィンランドに古くから伝わる、木をくりぬいて作るマグカップ「ククサ」や、細い紙を巻いてパーツを作り、組み合わせて立体的に仕上げる「ペーパークイリング」の作品など、さまざまな手作り品を出品している。

 展示は午前9時~午後4時半。月曜休館。

 
オーロラについて記した「星解」の写本=いずれも松阪市殿町の市歴史民俗資料館で

オーロラについて記した「星解」の写本=いずれも松阪市殿町の市歴史民俗資料館で

■江戸期オーロラ記録した天文書写本も

 松阪市歴史民俗資料館では、江戸時代に日本全域で観測されたオーロラについて紹介するミニ展示も開催されている。7月3日まで。

 観測されたのは、1770年7月28日(旧暦)の午後8時すぎ。太陽表面の爆発現象「太陽フレア」を機に地球の磁場が乱されたことで発生したとみられている。

 会場には、オーロラについての記述がある資料5点が並ぶ。江戸時代の天文書「星解(せいかい)」の写本には、京都で観測されたとみられる放射状の赤い光が描かれている。また、松阪出身の国学者、本居宣長の同日の日記にも「今夜、北の空が赤くなっていた」などと書き残されており、オーロラは松阪でも見られたことがうかがえる。

 学芸員の杉山亜沙佳さんは「観測されたのは今の時期に近い。かつて日本でもオーロラが見られたことを知ってほしい」と話す。