ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 石川 2022年12月07日
県ゆかり作家がキャラに、人柄など紹介
金沢市小立野の県立図書館で6日、近代の人気作家をキャラクターにしたゲーム「文豪とアルケミスト」とコラボした企画展「十二文豪図書館ニ降臨ス」が始まった。キャラクターの等身大パネルや資料600点を並べ、作家の人柄が分かるマニアックなエピソードも紹介。ゲームファンも、そうでない人も楽しめる展示となっている。 (戎野文菜)
「泉鏡花と徳田秋声は不仲だったのか」「室生犀星と芥川龍之介の友情は…」。パネルには石川の三文豪をはじめ、太宰治や志賀直哉ら12人にまつわるエピソードが記されている。
展示の目玉は、芥川と犀星の2人のサインが入った県立図書館が所蔵する署名本。2人は仲が良く、芥川から贈られたサイン本に、犀星も署名した上で県立図書館に寄贈した。甘党といわれる芥川が犀星と一緒に金沢でお汁粉を味わったエピソードとともに並べている。
ゲーム会社と協力して今回の展示を企画した担当司書の河合郁子さん(47)は「研究者の人しか手に取らないようなマニアックな資料も出した」と話す。ゲームファンには好きなキャラクターである「推し」について隅々まで調べている人もいる。そんな人にも楽しんでもらえるよう作家同士の関係性を見せるなど、頭をひねったという。
会場を訪れた野々市市の会社員、川端彩乃さん(29)は約5年前のゲーム発売当初からのファン。「石川の文豪についてゲームをきっかけに知り、今は徳田秋声が1番好き。見応えのある展示だった」と満足そうだった。
同ゲームとのコラボ展は全国各地で開かれ、県内では2回目。来年3月5日まで開いている。今月17日には「文豪コソコソ話」と題して直木賞作家の北村薫さんらを招いたトークショーもある。申し込みが必要で、定員は先着140人。
(問)県立図書館076(223)9565