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【長野】写真集「山の季節」紹介 安曇野・田淵行男記念館

ジャンル・エリア : 展示 | 甲信越 | 自然 |   2023年03月30日

四季の山の表情を捉えた田淵作品。独特の構図、モノクロの風合いが目を引く

四季の山の表情を捉えた田淵作品。独特の構図、モノクロの風合いが目を引く

 安曇野ゆかりの山岳写真家で昆虫の生態研究家、田淵行男(1905~89年)の代表的な山岳写真集「山の季節」収録の写真と文章の展覧会が、安曇野市の田淵行男記念館で開かれている。6月25日まで。同展に合わせ、館正面の老朽化した桟橋も架け替えられた。たもとで「百楽(ひゃくらく)桜」と呼ばれるエドヒガンザクラも見頃となり、来館者を歓迎している。

 1969(昭和44)年発行の「山の季節」は田淵が多数発表した山岳写真集の中でも「山の3部作」と言われる連作の1つ。この中から常念乗越や蝶ケ岳など安曇野の山を中心に、高山植物やライチョウなども収めた四季の写真26点を飾った。生涯自然と向き合った田淵の心情が伝わるエッセー、詩文も添えた。

 作品は「山麓の春」「夏山のパターン」「紅葉の山」「北ア初冬」など写真集の章ごとに陳列。田淵が研究で追い続けたヒメギフチョウがカタクリの花にとまる春の光景をはじめ、雪形や山肌の陰影をパターン、模様として捉え、モノクロで芸術性を追求した田淵独特の山岳写真が並ぶ。

架け替えられ、新しくなった館正面の桟橋。百楽桜も満開に近づいた=いずれも安曇野市の田淵行男記念館で

架け替えられ、新しくなった館正面の桟橋。百楽桜も満開に近づいた=いずれも安曇野市の田淵行男記念館で

 館は、写真家田淵の原点という本人手作りのアルバムを保管しているが、経年変化が進んだために修復。4冊をショーケースで公開している。

 沢田龍太郎学芸員は「独特の構図、画角、グラデーションにこだわった田淵の山岳写真の魅力に触れてほしい」と話している。

 桟橋の架け替えは90年の開館以来初。木製からアルミ材、再生木材使用に生まれ変わった。幅も広がり、スロープの斜面も緩やかになった。

 百楽桜は田淵の言葉「一山百楽(いちざんひゃくらく)」(1つの山には100の楽しみがあるの意)から命名。毎年この時期、花見に訪れる人も多い。

 月曜休館。入館料は高校生以上310円。

(問)同館=0263(72)9964

 (逢沢哲明)