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【岐阜】名酒、名建築… 大人の遠足 「ながら」で行く郡上八幡 岐阜県郡上市

ジャンル・エリア : グルメ | 乗り物 | 岐阜 | 自然 | 鉄道  2023年04月27日

列車の振動で熟成を重ねた「旅する日本酒」

列車の振動で熟成を重ねた「旅する日本酒」

 少し前のことになりますが長良川鉄道(岐阜県関市)の観光列車「ながら」に乗ってきました。私と妻、私の40年来の旧友とその奥さまで、気分は「大人の遠足」です。

 日曜日の朝。美濃加茂市の美濃太田駅に行くと、すでに「ながら」はホームに着いていました。ここが始発駅で、友人夫妻はもう私たちの席で待っていてくれました。

 「ながら」は2016年に運行が始まりました。車両は水戸岡鋭治さんのデザイン。駅や電車など公共の場にこそ最高のデザインを-との強い信念を持ち、和歌山県を走る和歌山電鐵(でんてつ)の「たま電車」をはじめ、全国で鉄道の車両や駅を手がける第一人者です。私は長年の大ファンです。

 前に乗車した折は、車内で特製ランチを味わうプランを選びましたが、今回は目的地である郡上八幡(郡上市)で食べ歩きをするため、食事のない「ビュープラン」です。

 けれども食べ物や飲み物の持ち込みは自由なプランで、出発前からあちこちの席ではお弁当やら飲み物などが登場します。私たちは友人夫妻が用意していたホットワインでまずは一献。ふう、おなかがほわんと温まりますね。

 車内には、おみやげを販売するコーナーもありました。そこで見つけたのが「旅する日本酒」。岐阜市の老舗酒蔵「白木恒助商店」が、長良川鉄道の車両に半年以上も乗車させて、列車の振動で熟成をさせた貴重品です、酒器はわが家のものです。

「ながら」(右)とすれ違う「おくみの号」

「ながら」(右)とすれ違う「おくみの号」

 4合瓶で3000円とかなりのお値段ですが、この日のため何日もお昼のごはんを抜いてためたお小遣いがあります。ええい、買っちゃえ。これは持ち帰って、何か良いことがあったときに飲みましょう。

 途中、大矢駅(郡上市)で列車は少し停車します。記念撮影などをしていると「あ、新型車両が来た」という声が聞こえます。昨年導入された「おくみの号」です。2つの車両がすれ違う瞬間を撮ったので、ご覧ください。右が「ながら」。そして左が「おくみの号」で、旧国鉄の急行列車を模した外観です。

 休憩が済むと再び車内へ。10時45分に美濃太田駅を出て、楽しく列車に揺られること1時間半あまり。目指す郡上八幡駅に到着しました。運転手や係員の皆さま、誠にありがとうございました。

 今日はこれから、郡上八幡旧庁舎記念館をはじめあちこち出かけます。八幡の町を彩る名建築の1つです。お昼ごはんは「リストランテ雀(すずめ)の庵(いおり)」で。昭和のはじめに建てられた旧邸宅を改築した実に瀟洒(しょうしゃ)なレストランです。ここのお菓子を「ながら」の車内で味わうプランもあり、人気だそうですよ。

 その後は、こちらも人気の焼き菓子の店「プチパリ」に行列覚悟で行きましょうか。「大人の遠足」は、楽しみがいっぱいです。 (三品信)

八幡の町を彩る名建築の1つ、郡上八幡旧庁舎記念館=いずれも岐阜県郡上市で

八幡の町を彩る名建築の1つ、郡上八幡旧庁舎記念館

▼ガイド 観光列車「ながら」の乗車には「ランチプラン」や「スイーツプラン」「ビュープラン」などがあり、同社のホームページから予約できます。電話予約は(電)0575(46)8021。このほか観光向けには、沿線の絶景ポイントで速度を落として走る「ゆら~り眺めて清流列車」などもあります。また「旅する日本酒」は完売となりました。お酒の好きな方には残念ですが、第2弾に期待したいと思います。

(中日新聞夕刊 2023年4月27日掲載)