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【石川】選手待ち 名木満喫 金沢市 さくら道ラン (上)

ジャンル・エリア : グルメ | スポーツ | 石川  2023年05月11日

名古屋城正門前から金沢市を目指してスタートするランナーたち=名古屋市中区で(泉竜太郎記者撮影)

名古屋城正門前から金沢市を目指してスタートするランナーたち=名古屋市中区で(泉竜太郎記者撮影)

 名古屋から金沢市に向かう特急「しらさぎ」に乗って、少し考えこみました。さっき自分が見たものは、いったい何だったろう。4月22日土曜日の朝のことです。

 この日午前5時すぎ。まだ暗い名古屋城から76人のランナーが走り出しました。目指すは金沢の名勝兼六園。250キロもの距離をわずか36時間以内で駆け抜けるとても過酷な「さくら道国際ネイチャーラン2023」のスタート風景です。

 かつて名古屋から金沢まで走っていた旧国鉄の路線バス「名金線」の車掌さんだった佐藤良二さんが「太平洋側と日本海側を、桜のトンネルで結ぼう」と志し、バス沿線に私費で桜を植え続けました。その遺志を継ぐ大会です-と書けば簡単ですが、ちょっと考えてみてください。

 私の乗った「しらさぎ」も名古屋から金沢まで、およそ250キロを走ります。所要時間は特急列車でも3時間。同じ距離を、生身の人が走るわけです。すごすぎます。

 しかも皆さんは笑顔で記念撮影をしたり、応援に来た人たちとハイタッチをしたり、悲壮感など少しもない旅立ちなのですね。驚きました。

「しいのき迎賓館」の前に並び立つ国指定天然記念物「堂形のシイノキ」

「しいのき迎賓館」の前に並び立つ国指定天然記念物「堂形のシイノキ」

 -でも、本当に金沢に着くのかな。というわけで、先に鉄道で現地に乗り込んで待つ卑怯者(ひきょうもの)がこの私。ふふ。

 「しらさぎ」は実に速く、昼前には金沢に着きました。ランナーが着くのは翌日で、まだまだ時間はありますから少し散歩をしましょうか。

 兼六園は今さら書くまでもない名園で、園内には美しい木々がたくさんありますが、園外にも見るべき木は多く、その一つが「佐藤桜」です。兼六園の入り口に向かう坂の途中、佐藤さんを偲(しの)ぶために植えられたもので、この木が大会のゴールとなります。

 そこからちょっと歩くと、かつて石川県庁だった「石川県政記念しいのき迎賓館」があり、大きなスダジイ2本が威容を誇ります。

兼六亭の「兼六園セット」と窓外の噴水=いずれも金沢市で

兼六亭の「兼六園セット」と窓外の噴水=いずれも金沢市で

 「堂形のシイノキ」という名を持つ国指定の天然記念物であり、樹齢は300年とも。高さはどちらも12メートル以上もあって、神々しい巨樹です。私は金沢に来ると、必ずこの木に手を合わせます。今日も無事にやって来ました、と。今回は大会の成功とランナーたちの無事も祈りました。

 散策の合間には、兼六園の園内にある「兼六亭」に行くつもりです。兼六園には江戸時代末に造られた日本最古の噴水があり、その優美な姿を見ながら郷土料理やお菓子を楽しむ料理店とカフェです。写真は、チョコと上生菓子とお茶の「兼六園セット」で、窓の向こうに小さく写るのがその噴水です。

 というふうに、私が金沢で週末をゆったり過ごす間も、ランナーたちはひたすら走り続けているのですね。続きは来週に。 (三品信)

 ▼ガイド 兼六亭は不定休。朝食(要予約)や昼食、夕食がいただけます。予約はお店のホームページから。カフェは予約不要です。兼六園セットは1500円でした。(電)076(261)3783。兼六園の園内にありますから、お店に行くには、無料開放の日などをのぞいて、入園料が必要となります(65歳以上の人や、障がいのある人とその介護者1人などは入園無料です)。

(中日新聞夕刊 2023年5月11日掲載)