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【石川】本格カレー 街に刺激を 小松みなとや食堂跡 きょう開店

ジャンル・エリア : グルメ | 石川  2020年04月20日

何種類ものスパイスが並ぶ店内で来店を心待ちにする店員ら

何種類ものスパイスが並ぶ店内で来店を心待ちにする店員ら

先人継ぎ 「わいわい集まる場所に」

 24時間営業の食堂として市民に愛された小松市西町の「みなとや食堂」跡に20日、待望の新店舗「小松西町食堂aniki no curry(アニキノカレー)」がオープンする。スリランカから輸入したスパイスを使い、四季折々の野菜入りカレーを提供する。飯塚隆人オーナー(46)は「小松の食文化を担ってきた場所に飲食店を開くことで、お客さんに喜んでほしい」と話す。(長屋文太)

 チキン、ビーツ、豆の3種類のカレーにナス、たけのこの炒め物、彩り豊かなパセリのサラダを白米と一緒に盛り付ける。店の看板商品「スリランカカレープレート」(税込み1200円)はスパイスの味をしっかり生かし、辛すぎない味付けで肉も野菜も楽しめる逸品だ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当面はテークアウトのみ。税込み850円で提供する。

(上)みなとや食堂時代の趣ある町家の雰囲気を生かした新店舗の外観 (下)野菜たっぷりのスリランカカレープレート。当分の間は右側のテークアウト容器のみで提供される=いずれも小松市西町で

(上)みなとや食堂時代の趣ある町家の雰囲気を生かした新店舗の外観 (下)野菜たっぷりのスリランカカレープレート。当分の間は右側のテークアウト容器のみで提供される=いずれも小松市西町で

 みなとや食堂は1965(昭和40)年、JR小松駅前に創業した大衆食堂で、94年に現在地に移転。当時は珍しい24時間営業で、東京大を中退し、小説も書いていた異色の店主、豊島宣一さんの人柄も愛された人気店だった。豊島さんが2018年6月に68歳で亡くなり、惜しまれながら閉店。空き店舗を飯塚さんが買い取った。レトロな町家の雰囲気の外観を生かし、内装を大幅に変えた。

 塗装会社役員の飯塚さんはカレー好きが高じ、3年前から金沢市や首都圏のあらゆる教室に妻の明子さん(40)と通った。野菜たっぷりで魚のだしがよく効いているスリランカカレーにはまり、現地の家庭で5日間、料理修業し、スパイスも買い付けた。飯塚さんは「本格的なスパイスカレー」と自負する。

 営業は午前11時から午後3時まで。新型コロナウイルス感染が終息後、夜間営業も目指しており、カウンター席を生かし、立ち飲みバーにしようと計画している。みなとやは店主との長話を楽しみに来店し、夜通し滞在する客もいた。「みんながわいわい気軽に集まれる場所をつくりたい」と先人の思いを継ぎ、末永く愛される店を目指す。