
1978年創業の「海石榴」。珍しい漢字を当てた屋号を不思議に思い、由来を女将に尋ねてみると・・・「このあたりは椿に縁が深くて。湯河原に通じる県道は「椿ライン」と名づけられ、山椿、乙女椿などが咲き誇り、近くにある「椿寺」では、可憐な椿が楽しめます。この地に縁の深い花木であれば、それを屋号にしようと。「海石榴」という漢字は、「椿」の古語にあたります。」・・・日本語って美しいですね。
女将が発する言葉の美しさに耳を傾けながら、長い廊下を案内されて部屋へ。入口を入ると、正面の窓から見事な景観。眼下には渓流、眼前には豊かな木々、木々の向こうには山々が連なり、思わず笑顔に。心がゆるりと紐解かれます。
大自然に囲まれた露天風呂でしっかりと温まり、食事が運ばれてくる部屋へ戻ります。
夕食の懐石料理は、京指物で飾りつけた先付に始まり、季節感溢れる13品のお料理。器も素晴らしく、まさに、目と舌で味わう日本料理の妙。日本が誇る素晴らしい食の歴史と文化に思いを馳せながら、しばし言葉も忘れて舌鼓を打つひとときです。

2008年12月12日
- (株)Office musubi 代表取締役 鈴木 裕子
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食専門のマーケティング会社を運営。
すぐれた商品を作っていても、“売り方・魅せ方”が分からない生産者や食品メーカーを支援し、作り手と市場を結ぶ。
国内は名古屋と大阪を拠点に、海外はニューヨークに拠点を置き、
現地の食専門家チームとともに日本食品の販路開拓支援、流通改革を行う。
(食べることが生きがい!)