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オタワ 銃弾にも負けぬもの

2014年12月02日

 「銃撃なんて中東かどこかの話だと思っていたのに」

 晩秋のカナダの首都、オタワの連邦議会議事堂一帯で起きた銃撃テロ事件。帰途を急ぐフィリップさん(26)はショックを隠さず話した。

 荘厳な議事堂のある丘は紅葉で美しく色づく。だが、それも張り巡らされた黄色の立ち入り禁止テープと警察の頑強な装甲車両に遮られ、事件の異様さを感じさせた。

 議事堂周辺で完全封鎖されていたビルから夜になって解放された人が皆一様に疲れ切っていたのは、仕事場に留め置かれたストレスだけではない。

 カナダの移民人口が多いことを指して「人種のモザイク都市」というのを聞いたことがある。それぞれの民族の文化や伝統をお互いに尊重することがそれを成り立たせていると感じた。その根幹はイスラム教の過激思想に傾倒した男の事件で揺るがないのか。

 大学生のマリカさん(18)は「イスラム教徒は大学に大勢いる。多様な人が学ぶのは私にとって普通のことで、怖くなんかない」と答えた。この一言に、惨劇克服に動くカナダの蓄積の厚みを感じた。(斉場保伸)

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