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パリ スキャンダルの余波

2017年05月01日

 フランス大統領選に異変が起きている。大統領の椅子に最も近いとみられていた中道・右派のフィヨン元首相(62)支持が一時急落したのだ。

 発端は週刊紙カナール・アンシェネの報道だった。フィヨン氏の妻が勤務実態がないのに秘書給与計約83万ユーロ(約1億円)を受け取っていたという疑惑を報じた。その後、疑惑は息子と娘にも飛び火。3週にわたって追及した。クリーンな印象で人気を集めていたフィヨン氏だっただけに本人が違法性を否定しても打撃は甚大だった。

 1915年創刊のカナール・アンシェネは政界や財界の暴露で名をはせる新聞だ。仏語で「鎖につながれたカモ」という題字は、当時の検閲への風刺的な意味が込められている。ちなみにカナールは新聞の俗語でもある。福島原発事故後の風刺漫画で物議を醸したといえば、記憶に新しいのではないか。

 さて、フィヨン氏は国民の信頼を取り戻せるだろうか。取材した男性は「法うんぬんじゃない。庶民感覚からずれている。モラルの問題だ」と怒った。フランスや欧州の将来を左右する選挙。醜聞ではなく、政策論争が聞きたい。 (渡辺泰之)

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