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カイロ 日本人活躍に心躍る

2018年03月30日

 イスラム暦(ヒジュラ暦)のエジプトの年末年始は、クリスマスや新年を祝う雰囲気はあまりない。年の瀬らしさを感じようと足を向けたのが、ナイル川沿いに立つオペラハウスだ。1988年に日本の政府開発援助(ODA)で完成した。

 カイロ国立オペラバレエ団による「くるみ割り人形」を観劇。時間通りに始まらず、公演を携帯電話で撮影するなど、エジプト人らしさを横目に聖夜の夢物語に拍手を送った。

 主人公マーシャの少女時代に抜てきされたのは大阪府出身の岡本玲奈さん。ロシアに留学するも失意の帰国。大学卒業後に夢に再挑戦してつかんだのがカイロのバレエ団だった。

 バレエ団には7人の日本人が在籍し、別の公演日には松本さつきさん(埼玉県出身)も主人公を演じた。日本人4人が所属するオーケストラでは、首席フルート奏者の田中桂子さん(千葉県出身)らが演奏していた。

 カイロではこのほか交響楽団で2人、現代バレエ団で1人の計14人の日本人が活躍している。大劇場の天井を見上げると菊の御紋のような照明のデザイン。思いがけず、胸が熱くなる一夜だった。 (奥田哲平)