2011年08月19日
腕組みをしながらじっと盤面を見つめるドイツ人棋士たち。将棋を指せない自分が悔しくなってきた。
アジア以外では最大規模というアマ将棋の欧州選手権がドイツ南西部ルートビヒスハーフェンで開かれた。ドイツ開催の今年は日独交流150周年にも当たり、同時開催のオープン選手権とあわせて欧州のほかにも日本、中国など15カ国、約100人が参加。4日間で各種対局を重ねた。
「奥深いルールとともに、日本文化に触れる楽しさがある」とドイツ人にとっての魅力を語るのは、大会を運営する地元の大学教授レーベカンプさん。南部シュツットガルトから来たウィッテンベルガーさんは将棋教室で100人に教える。「初めは10分間と盤に向かえない子どもが、みるみる集中力を高めていく。学校の成績もアップする」という。9歳にしてキャリア4年の地元レオ君。「友だち3人に将棋を広めたんだ」と自慢げだ。
欧州での悩みは、指導書などの翻訳が進んでいないことという。プロ棋士による指導対局で、日本から訪れた瀬戸博晴6段は「熱心さに驚いた。将棋を今以上に世界一流のゲームと認めてもらうため、海外のレベルを高めたい」と話した。
大会の優勝はフランスの2段棋士。10月にはパリで世界選手権が開かれるという。 (弓削雅人)