2009年03月02日
2010年上海万博でボランティアを希望する愛知県の人たちが上海を訪問した。開催までに日中のボランティア交流を深めようと、提案したのは公園での清掃活動。一緒に汗を流せば、手っ取り早く仲良くなれるという淡い期待があった。
ところが、中国の事務局側は、「わざわざ外国から来た方々に、ごみ拾いなんてさせられない」とやんわり拒絶。メンツの問題らしい。公園が汚れているのを外国人に見られるだけで不愉快なのに、清掃までされては沽券(こけん)にかかわる。
日本側がいろいろと提案しても、調整を進めると、「これは駄目、あれも駄目」と壁にぶつかることが多い。中国側のリーダーが「日本のやり方を伝えてほしい」と言う一方、ボランティアには「中国人だけで十分」という自負がある。
上海万博事務局の幹部が「万博で大切なのはヒューマニズムだ」と話した際、「メンツの次にでしょ」と思わず言いそうになった。
(小坂井文彦)