2013年01月26日
尖閣諸島(沖縄県)国有化から続いた反日機運が徐々に薄らぐ中、中国の地方政府から「日本のみなさんにアピールしたい」との売り込みが相次いだ。
11月末、江蘇省無錫市の外事弁公室(国際課)から「無錫市の魅力について知ってもらいたい。まずは、日系メディアのみなさんに説明をしたい」と持ちかけられた。あいにく当方の出張で都合がつかなかったが、日系各社に魅力を説明したそうだ。
同省蘇州市からも電話があった。日本担当の女性職員は流ちょうな日本語で「蘇州市を積極的に取り上げてもらいたい。知りたいことがあれば情報提供します」と持ちかけた。
両市とも9月に大規模な反日デモが起き、蘇州では日本人街が破壊された。日系をはじめとする外資系企業が地元経済を支える面も強く、イメージ回復が急務なのかもしれない。先月就任した習近平総書記が「中国はもっと世界を知るべきで、世界の人々も中国を知るべきだ」と呼び掛けた影響もあろう。
積極的な売り込みは大歓迎だが、習総書記の言うとおり、一方通行では困ってしまう。反日キャンペーンを続けた中国メディアの偏った情報を疑い、世界を正しく知る努力をし、行動につなげてほしい。そんな人がさらに増えれば、それこそがイメージアップにつながる。
(今村太郎)