2017年06月24日

　カイロ近郊に最近、屋内型スキー場がオープンした。エジプトはもちろん、アフリカ大陸で初めてとなる施設だ。中は言うまでもなく、人工雪の銀世界が広がる。スキーヤー用やレッスン用のゲレンデ、子どもたちが遊べるエリアなどが設けられている。

　スキーをする場合、用具やウエアのレンタル込みで２時間２００エジプトポンド（１３５０円）、１日なら４００ポンド。一般のエジプト人にとっては高いが、富裕層には手ごろな価格だ。スキーをしない人向けの安めの入場料金も設定されている。

　係員に話を聞いてみると「休日は雪を見たいという家族連れでにぎわってるよ。今はスキー客より、雪に触れたい入場者の方が多い」とのこと。

　高温乾燥のカイロやその近郊で最後にわずかばかりの雪が降ったのは２０１３年１２月。それも過去数十年なかった出来事だったらしい。カイロの住民にとって雪は非常に珍しいのだ。

　係員によれば、「雪は（ナイル川から取水している）水道水から専用の機械でつくられている」という。エジプトの屋内型スキー場はやはり「ナイルの賜物（たまもの）」だった。　（中村禎一郎）