2009年11月07日
「国連? ダメダメ。ごめんだね」。またもや1台、無情なイエローキャブが通り過ぎた。
年1回、世界中の首脳が集う9月下旬の国連総会。今年はオバマに鳩山、カダフィ、チャベス、アハマディネジャドと国際ニュースの「顔」がそろって大にぎわいだったが、国連周辺の交通は大渋滞となり、タクシーがつかまらず、実に往生した。
こちらも必死。途中まででいいから乗せてくれと懇願。助けてくれたのはセネガルとバングラデシュの運転手。前者はサッカーの日韓ワールドカップ(W杯)で母国が大活躍したこと、後者は国旗が日の丸と似ていることなどで盛り上がり、国連まできちんと乗せてくれた。ありがたかった。
ニューヨークの運転手の国籍は中東や南アジア、アフリカ、東欧などさまざま。まさに国連並みの多様さだ。外交官でなくとも、この街では交渉が不可欠、と実感した。 (加藤美喜)