2022年09月13日
腹の奥に響くようなエンジン音を立てながら、高速のマシンが目の前を通り過ぎていく。
フランス中部ルマンで開催された伝統の24時間耐久レースの迫力は、世界中のモータースポーツファンをひきつける。サーキット近くの森の奥に国旗がひしめく一角が目にとまり、近づいてみるとテント村が出来上がっていた。乗ってきたキャンピングカーやワゴン車に自国の旗を掲げるのが風習らしい。
予選段階から1週間ほど泊まり込むファンが多いといい、テーブルを並べてバーベキューをしたりホースでシャワーを浴びたりする人の姿も。主催者発表の大会来場者はのべ24万人超。昨年と一昨年はコロナ禍で入場制限があったので、3年ぶりににぎわいが戻った形だ。
ドイツ国旗を掲げた車の持ち主ステファンさん(45)は5日間の休暇を取り、北西部ビーレフェルトから約10時間かけて来たという。「2年間待っていたから戻って来られてうれしいよ」と話しながら「少しだけ残念なことがある」とも。コースに近い場所を狙っていたが到着時には既に埋まっていたのだとか。キャンパーたちの場所取りレースも激しかった。 (谷悠己)