2023年12月27日

　休日に家族でソウルの遊園地「ロッテワールド」を訪れた際、学生服姿で来場する若者の多さに目を引かれた。周辺に制服のレンタル店があり、着用して遊ぶのが文化のように定着しているらしい。

　何組かの男女に声を掛けてみたところ、多くは２０代の成人カップルだった。女性側が「着てみたい」と提案するパターンが多いようで、男性は「ちょっと気まずいです」と笑った。

　知人らに聞くと、若者らは、厳しい校則ゆえに学生時代には許されなかった髪形や化粧をして制服を着る。交流サイト（ＳＮＳ）映えする写真を撮り、思い出を作るのが目的という。始まった時期は不明だが、２００１年の映画「猟奇的な彼女」で主人公とヒロインが学生時代の制服を着てクラブへ行く場面があり、その辺に着想があるのでは？という見方もあった。

　流行の移り変わりが早い韓国で長年続いているのは、彼らの琴線に触れる何かがあるはず。中高生の間は厳しい受験競争で恋愛をする余裕がなく、大人になってから恋人と制服を着て仮想的に青春を取り戻そうとしているのでは…というのが私の仮説だ。　（木下大資）