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黒い聖母子像

2015年9月14日

 黒い聖母子像(ブラックマドンナ)は世界に約450体あるといわれ、そのうち、約200体はフランスで発見されたものだという。フランスのル・ピュイ、スペインのモンセラット、イタリアのロレートなどにある像が有名である。残念ながらドイツ産はないようだ。

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☆マーチャーシュ教会(ブタペスト・ハンガリー)

 

13ブダペスト1.jpg

☆教会内の聖母マリア像。イタリア・ロレートのレプリカ

 

 ミュンヘン近郊のプラネッグにあるマリア・アイヒ教会(ブログ5/25)に祀られているのも黒い聖母子像である。これもロレートからの土産物で、それを村の子どもがオークの木の洞に祀ったところ、それを拝んだ人々の病気が癒えたという。

14マリアアイヒ.JPG

 

☆マリア・アイヒ教会

 

15プラネッグ.JPG

☆わかりづらいが、ドレスをまとった黒い小さな2つの頭が見えるだろうか

 

16由来図.JPG

☆天井に描かれた教会由来の図

 

 ヴュルツブルク(バイエルン州)のケッペレ教会の黒い聖母子像は17世紀初めにボヘミア(チェコ)からもたらされたというが、オリジナルかどうかは不明である。

17ケッペレ1.jpg

☆ケッペレ教会
 

18ケッペレから1.jpg

☆ケッペレ教会の上から。葡萄畑の向こうにマリーエンベルク要塞が見える

 

19ケッペレ像.jpg

☆教会内の「奇跡の回廊」にある黒い聖母子像

 

 「黒」は確かに異端や異教と結びつけられやすい色である。だからといって、黒い聖母子像が「隠れ異教の女神」だと言えるかどうかわからない。長年の礼拝によるローソクの煤のせいだという見方もある。しかし、黒いレプリカがたくさんあるということはそれだけ信仰の対象になっていたということである。

20アルト.jpg

☆アルトエッティングの聖母マリア礼拝堂(ミュンヘン近郊)もご本尊は黒い聖母子像

1330年頃、フランス・ブルゴーニュ地方からもたらされたものだという。(絵葉書より)

 

21.jpg

☆ミサのあと、信徒たちは備え付けの十字架を肩にかけて礼拝堂の周りをまわる

次回もお楽しみに。

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取材担当プロフィール

西村佑子(にしむら・ゆうこ)

うお座。早稲田大学大学院修士課程修了。
青山学院大学や成蹊大学の講師を経て、現在はモアビートプロモーションの「ドイツセミナー」講師。
これまでに「グリム童話の魔女たち」展(栃木県いしばし町グリムの館)の企画・監修やドイツ魔女街道ツアーの同行講師、
薬草専門誌に連載記事を掲載するなど、ドイツの魔女と薬草にかかわってきた。
主な著書に『グリム童話の魔女たち』(洋泉社)『ドイツ魔女街道 を旅してみませんか?』(トラベルジャーナル)、
『魔女の薬草箱』『不思議な薬草箱』(いずれも山と溪谷社)、『ドイツメルヘン街道夢街道』(郁文堂)など。

ぶらっ人編集部 @buratto_tabi