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阜陽 夢への道は迂回なし

2009年04月24日

 安徽省阜陽市の中心部から農村へ向かう途中、タクシーは未舗装の農道へ入った。木製のいすを道の真ん中に置いた「関所」がある。農民に1元(約13円)を渡して通してもらう。

 幹線道路へ戻ると、後方に有料道路の料金所が見えた。「通行料は10元。迂回(うかい)する人も農民も喜ぶ」とドライバー。一面が麦畑の美しい風景とは裏腹に、農村はでこぼこの道路ばかり。「関所」は「税金を払っても、政府は何もしない」と憤る農民のささやかな抵抗か。

 農村で、「小学校が大好き」と言う王明偉君(11)と出会った。ひと昔前、農村では学ぶことが能(あた)わなかったが、教育環境は随分と良くなったようだ。授業の様子を聞くと、宿題と自習をこなすため、下校は夜の八時という。「大学に行かなきゃ、良い仕事に就けないでしょ」。農家の子なのに、いや、だからこそか。少年は現実を厳しく認識していた。 (小坂井文彦)

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