2009年05月21日
台湾でも高速公路(道路)の各サービスエリア(SA)が特色を出そうと張り切っている。当局が昨年の3月ごろから、その土地の文化や歴史、環境を生かした運営を業者に促している。
食事の品ぞろえは軽食から郷土料理まで、日本と似ている。先住民族の集落が近いSAでは、従業員が伝統衣装を着用している。目を引くのは、およそ日本ではお目にかかったことのない空間が存在することだ。
台中県の泰安SAには、駐車ゾーンの脇に約1300平方メートルのクワガタムシ育成区域が広がっている。売店の2階には世界の甲虫類を集めた標本館もある。ここまでなら「この辺りは昆虫の宝庫なんだ」と納得できる。
ところがさらに見渡すと、ブーゲンビリアが咲き誇る宮殿のような噴水もある。おまけに蒋介石の像まである。多様な文化が混在する台湾らしさ、といえなくもないが、この地域の特色とは一体何なのか、目まいがしそうだ。
(栗田秀之)