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ダトゥピアン 難民認定の壁は厚く

2009年10月29日

 粗末な小屋が延々と続くフィリピン・ミンダナオ島ダトゥピアンの避難民キャンプで、1人の男性に呼び止められた。松葉づえをついている。「戦闘から逃げてきたのに避難民として認定されない。何とかしてもらえないだろうか-」

 紛争による避難民と認められれば米や調理油の配給が受けられるが、証明書がなければ何ももらえない。町役場の職員を探し出して男性のことを話すと、職員は首を振った。

 「同じ訴えはたくさんありますが何ともなりません。認定するのは政府ですが、この2カ月、認定はありません」。政府によれば、ダトゥピアンに住む避難民は3800家族。しかし、役場職員によると実際は6100家族を超え、大量の認定漏れがあるという。

 「せめて彼に状況を説明してあげて」と頼んでも職員は首を振るばかり。仕方なく男性のところに戻り、聞いた話を繰り返したが、訴えは止まらない。うなだれて聞くしかなかった。 (吉枝道生)

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