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ラワルピンディ マークに注ぐ熱視線

2013年06月14日

 キリン、ワニ、バケツ、テント、ハシゴ、太陽…半紙大の青色の投票用紙にはいろんなマークが並んでいた。

 パキスタンで5年ぶりに行われた総選挙。政党名の代わりにユニークなマークと候補者名が並んだのは理由がある。「パキスタンの識字率は60%。マークは読み書きができない人のため」と地元記者。投票も備え付けのはんこをマークか候補者の名前の上に押して行う。

 首都に近いラワルピンディの学校につくられた投票所。平日はあまり外で見かけない女性たちも朝から行列をつくってにぎわっていた。投票所のスタッフや警察官も、みんな5年に1度の祭りのように楽しそうだった。軍のクーデターが何度も起きたパキスタンで、非軍事政権が5年の任期を全うしたのは初めてだったからだ。読み書きができない人を含め、「次も自分たちで選ぶ」という有権者の熱い視線が各党のマークに注がれた。

 「汚職をなくして学校を増やしてほしい」「毎日の停電に国民は困っている」。投票を終えた人々は熱心に答えてくれた。自動車販売のナディームさん(35)は投票所で「国を変えて今の彼女と結婚する」と宣言。一緒にきた友人らに手荒い祝福を受けた。

 吹き荒れたテロに多くの人がひるまずに投票した。民主主義への渇望と期待が街にあふれていた。 (杉谷剛)

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