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モスクワ 五輪前忍び寄るテロ

2014年04月18日

 正月明け、モスクワ地下鉄に乗っていた。中央部の座席から車両の出入り口を眺めていたら、停車駅でホームから乗り込みかけた客らが何かを見つけて、別車両に移動するのに気付いた。視線をたどると、所有者不明の黒いリュックサックが、床に置いてあった。

 「爆弾かも」。ぞっとした。ロシアの過去の爆破テロでは、爆弾入りリュックの例も多い。間もなく着いた駅で駅員に知らせたが、「警察に連絡を」と駅員。怖がっているのか、リュックの確認もしない。列車は次の駅に向かってしまった。

 2010年に地下鉄テロを経験したモスクワでは、最近、南部ボルゴグラードでの年末の連続爆破などのテロ犯潜伏の可能性があるとして、治安当局が手配写真を公開した。街の商業施設では、手配犯の情報提供を呼び掛ける館内放送も聞こえてくる。声には出さなくとも、市民はテロの恐怖を身近に感じている。

 ソチ冬季五輪が間近だ。ロシアメディアは連日、聖火リレーがソチに近づいたと伝えている。しかし「祝賀ムード盛り上がる」との記事を日本に送るのをためらっている。 (原誠司)

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