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ワシントン パパに言いつけるぞ

2014年05月13日

 米ホワイトハウスや国務省の高官は時折、海外メディアだけを対象に記者会見を行う。アジア、欧州、南米といった世界各地の記者がこぞって手を挙げ、米国に対する期待や不満を表明する会見場は、米国を取り巻く国際環境の縮図となる。

 先日のローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)の記者会見では、中国勢が安倍晋三首相の靖国神社参拝について米政府の見解をただした。同じような質問が3回繰り返されたので、米国に日本を非難してほしいという中国側の願望が鮮明になる。米政府が参拝に「失望」を表明した声明が、中国側の期待感に火を付けたのかもしれない。

 とはいえ「パパに言いつけるぞ」と言わんばかりの姿勢は、米国との「新たな大国関係」を唱える国に似つかわしくない。米国が世界に支配的影響力を持つパックス・アメリカーナ(米国による平和)を中国人記者も認めてしまっているようだ。

 日本メディアからはオバマ大統領の4月訪日の見通しについて質問が出たが、対中非難を期待するような質問は出ず、ほっとした。兄弟がお互いのことを父親に競って告げ口するような醜態は避けたい。 (竹内洋一)

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