2022年08月25日

　先日、世界的な人気を誇る韓国の男性７人組Ｋポップグループ「ＢＴＳ（防弾少年団）」がホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領と人種差別対策などについて意見交換した。

　ホワイトハウスのフェンスには若いファンが張り付き、記者会見には多数の日韓のメディアが押し寄せた。人気に感心しつつ、自分は彼らの音楽とダンスを聞いたことも見たこともなく、すごさを知らなかった。

　会見が終わり、ほかの記者と「ＢＴＳって、どこがいいのかね」などとおじさん感にあふれた会話を交わしながら、ホワイトハウスの出口に向かって中庭を歩き始めた。すると、ファンがフェンス越しに黄色い歓声を上げ、「ＢＴＳ！　ＢＴＳ！」と大合唱を始めた。メンバーの顔写真をちりばめた段ボールを掲げている女性もいる。私たちアジア人のメディア関係者の一部をＢＴＳのメンバーだと勘違いしているようだ。

　戸惑いと、ＢＴＳでないことへの申し訳なさがありつつ、歓声を浴びることに悪い気もしない。さっき「どこがいいのか」とくさしたＢＴＳに、心の中で「ありがとう」と感謝する自分がいた。　（吉田通夫）