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ワシントン 分かりにくい事務所

2014年06月09日

 事前に住所を調べ、地図を手に徒歩で行っても、初めてではどの建物か分からなくなるのが米通商代表部、通称USTRだ。米貿易交渉の司令塔。環太平洋連携協定(TPP)の交渉で、日本に立ちはだかる頑固な交渉相手として知られる。

 ホワイトハウスから西に徒歩約3分。真っ白な5階建てビルだが、まるで一般住宅のような木製の小さな玄関に小さな表札が付いており「USTRの事務所」と書かれている。

 「住宅の玄関」よろしくインターホンがあり、信じ難い思いで鳴らす。「ここUSTRですよね? 取材で来たのですが」と言うと「OK」と声が聞こえカギが外れた。いつか読んだスパイ小説みたいだ。

 ワシントン初の高層ビルとして、日本では江戸時代の1848年に完成しただけに重厚な雰囲気。USTRは1981年から本拠を置く。狭い廊下の向こうに探知機など厳重な保安設備が置かれていた。

 TPP交渉では秘密交渉が災いして「透明性がない」と議会などから突き上げを食らっているUSTR。ビルのある場所の分かりにくさがその姿勢を反映しているかのようだった。 (斉場保伸)

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