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台湾・嘉義 球児の精神受け継げ

2015年02月17日

 台湾南部の嘉義市は昨年、台湾で大ヒットした映画「KANO」の舞台だ。日本統治時代の1931年、夏の甲子園に台湾代表として出場した嘉義農林学校、嘉農を描き、日本でも24日に全国公開。嘉農の日本語読みがKANOで、チームは日本人、台湾人(漢族)、先住民からなり大奮戦して準優勝した。

 市内のあちこちに「KANO」が目につく。ランドマークの中央噴水池には国父孫文の銅像に代わり、エースで4番、主将だった呉明捷の投球姿の銅像が建った。近くの飲食店のおやじさんは「銅像を見に来る人もいる。新しい観光名所だよ」。

 日本式木造家屋の官舎群を保存したヒノキ芸術生活村には「近藤教練宿舎」の看板。案内の女性が「ここで映画ロケも行われました」と紹介していた。

 市が主催する恒例の国際マーチングバンド祭りの開幕式では10のブラスバンドチームがKANOの主題歌を合奏。観客からは「KANO精神で頑張れ!」の声援も。「KANO精神って何?」と聞くと「諦めずに徹底的にやること」とか。市政府によるとKANOによる町おこしで観光客は前年比約2割増という。 (迫田勝敏)