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リマ 驚きのタクシー事情

2017年02月06日

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の取材で訪れたペルーの首都リマ。そのタクシー事情は驚きの連続だった。

 まず、空港や路上でタクシーを拾おうにも、どれが本物か偽物か見分けが付かない。タクシーと書いたシールを貼っただけの乗用車は論外として、屋根に標識が付いていても正規とは限らず、本物そっくりの偽タクシーが横行しているので厄介だ。

 タクシー強盗も多発している。日本では運転手が乗客に襲われることだが、こちらでは逆。運転手が強盗に早変わりするというからおっかない。料金は行き先を告げた後の交渉次第で、メーターの有無は真偽を区別する基準にはならない。

 本物っぽい車を選び、運転手の顔を見て信用できそうかどうかを見極めるしかない。乗った後も、停車中に窓ガラスを割られて荷物を強奪される被害も多い。実際、不審者から窓をのぞき込まれて肝を冷やした。

 APEC関係者からホテルやレストランで手配すれば安心と教わったので、頼んだところ、来たのはタクシーではなく、普通の乗用車。ホテルなどと顔見知りの白タクが一番安全ということだった。 (後藤孝好)