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スペイン・バルセロナ 外見では分からない

2018年05月01日

 カイロを抜け出して冬休みで訪れたスペイン・バルセロナ。居酒屋で飲んでいると、男性2人のアラビア語の会話が聞こえてきた。2人は高校の同級生でエジプト北部アレクサンドリア出身。ドイツ在住の医師がバルセロナ在住の友人を訪ねた。

 エジプトは「出稼ぎ大国」。年200億ドル(2兆1000億円)に上る送金は外国人観光客などと並ぶ主要な外貨収入源だ。異国で暮らす2人が、エジプトの今をどう見ているのか。答えは「寛容性に欠けている」。

 バルセロナ在住の男性はギリシャ正教、医師はイスラム教徒。「昔はもっと自由で、異なる宗教が共存していた」という。確かに1950年代のエジプト映画に登場する女性は頭髪を覆う布「ヒジャブ」をかぶっていない。ヒジャブ姿の女性が増えたのは出稼ぎ労働のためで、サウジアラビアで厳格な宗教風土に触れた労働者が母国に流入させたという。

 医師が付け加えた。「でも、ヒジャブをしていても、敬虔(けいけん)とは限らない」。9月に学会で京都を訪ねるという医師に「日本はおじぎの角度で尊敬の度合いが分かるというのは本当か」と聞かれ、答えた。「外見と中身は違うよ」 (奥田哲平)

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