2015年06月30日
先日、この欄で英国人は屋外が好きと紹介したが、それには理由があることに気が付いた。たばこである。英国では室内は完全禁煙。日本のようなたばこ部屋などは一切ない。愛煙家は外に出るしかないのだ。
夕方、にぎわうロンドンのパブ。店外では、客たちがビール片手に紫煙をくゆらせながら談笑に興じている。
路上でもたばこを吸いながら歩く人が目立つ。吸ったたばこはどうするのか。見ていると、そのままポイッ。携帯灰皿がないわけではないが、使っている人を見かけることはほとんどない。
ロンドン中心のリージェントストリート。夜になると、伝統的な通りの建物はライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれる。しかし、目線を路上に下げるとたばこの吸い殻だらけ。
英国も日本同様、ポイ捨ては禁止されている。しかし、取り締まりが行われている様子はうかがえない。それもそのはず、吸い殻を拾い集めるのを生業にしている人がいるためだ。
吸い殻だらけだった路上はいつの間にかきれいに清掃されている。それはもはや、いつもの光景である。 (岩佐和也)