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仏アンティーブ マスクが漂う 海水浴

2020年08月30日

 今年の海水浴はマスクと一緒?新型コロナウイルスのため欧州で普及したマスクだが、フランスのソーシャルメディア上で先日、こんな投稿があった。マスクを着けて海水浴に、という話ではない。ポイ捨てされたマスクが、地中海を漂っているという記事だ。

 掲載された動画は、南仏カンヌ郊外アンティーブの海底に沈んだ使い捨てマスクと手袋。風光明媚(めいび)な海辺の街で、環境活動家のローラン・ロンバールさんが撮影した。投稿では「じきにクラゲより多くなってしまう」と危機感を示している。

 とかくフランスでは路上でポイ捨てを目にする。お菓子の包み紙や、たばこの吸い殻。「清掃人に仕事をあげているだけ」とうそぶく人さえいる。罰金制度の導入を呼び掛ける国会議員もいるが、動きは鈍い。

 使い捨てマスクの分解には300~400年かかるとの調査がある。アルミ缶の100~200年に比べても長い。海中のマスクはクラゲのようにも見え、ウミガメなどの誤飲も引き起こしそうだ。人を感染から守るマスクが、ポイ捨てで他の生物を危機にさらすならば、なんと皮肉なことだろう。

 (竹田佳彦)

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