2018年10月24日
64のキラキラする瞳が並んでいた。8月下旬、「アジア高校生架け橋プロジェクト」で来日を控えた東南アジアの学生32人が、バンコクの在タイ日本大使館を表敬訪問した。
日本政府が今年開始したプロジェクトは、日本語を学ぶ意欲を持つアジア20カ国の優秀な学生を無償で日本に招待。10カ月間、寮やホストファミリー宅に滞在しながら高校に通い、日本の若者と交流してもらう。
表敬訪問したのはタイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの16~17歳の男女。日本語教師を目指すタイのパッチャラー・パーラモン君(17)は「夢のよう。友人をつくり、生涯続く絆を結びたい」と流ちょうな日本語であいさつした。
事業の実施団体「AFS日本協会」の加藤暁子理事長(59)は高校時代、米国留学で原爆投下の是非を討論することになり、英語で必死に被爆者の苦しみを訴えた経験を紹介。「平和のため、若い人たちが手を携えて」とエールを送った。
プロジェクトは5年間で計1000人を対象とする。宗教や民族の違いを超え、友情の輪が広がる一歩になればと願った。 (北川成史)