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バンコク 日タイの「出会いの場」

2023年01月31日

 バンコクの日本大使公邸で9月下旬、タイに進出する日系企業と現地企業をつなぐ交流会が開かれ、トヨタやタイ石油公社(PTT)など日タイ両国の企業幹部ら計108人が出席した。

 ビジネスマッチング事業「TJRI(タイ日投資リサーチ)」を手がける「メディエーター」が企画。両国企業に接点を作り、新たなビジネスを生み出す狙いだ。交流会は立食形式で行われ、出席者はグラスを片手に気さくに言葉を交わしていた。

 日本企業にとってタイは東南アジア最大の拠点で、約6000社が進出している。交流会に参加した日系企業だけで昨年度のタイ国内における売上高は9000億バーツ(3兆5000億円)を超え、タイの国内総生産(GDP)の5・63%に当たるという。

 一方、タイのビジネス環境は変化している。梨田和也大使はルールの変化やタイ企業の発展などを理由に「両国の蜜月関係が永遠のものなのか、若干危機感を持っている」と率直に口にした。タイでは中国の存在感も高まり、いつまでも日系企業の金城湯池というわけにはいかないだろう。この「出会いの場」から「良縁」が生まれることを期待したい。 (藤川大樹)