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コラム 花紀行

愛知県豊田市「西山公園」のクリスマスローズ

愛知県豊田市「西山公園」のクリスマスローズ

暖かく明るい日差しに春本番を感じる日が多くなりました。

あちらこちらから様々な花の便りが届く中、
今月はどこへ行こうかと迷っていると、
愛知県豊田市の「西山公園」にある
「秘密の花園」が見ごろと聞き、
早速出かけてきました。

↑園内案内図。

豊田市の市街地北にある同園の面積は、約6万4千平方メートル。
見応えがあると評判のバラ園をはじめとして、
四季折々の花と緑に囲まれた都市緑化植物園です。
そんな西山公園の秘密の花園はどこにあるのでしょうか。

スタッフの方にうかがうと、
園内の見どころを突っ切った奥の方だということで、
同園西北部にある公園入り口から順に、
春を謳歌している花たちを楽しみながら進むことにしました。

↑入り口近くにある「四季の花園」近くに咲いていた
ラナンキュラス、色とりどりのパンジー、クリスマスローズ。
公園最奥部のクリスマスローズガーデン(秘密の花園)だけでなく、
ここでも50株ほどのクリスマスローズが咲いていました。

↑四季の花園から温室の方面を見たところ。
この周辺はとにかく様々な植物が植栽されていて、
とても興味深く、居心地の良いスペースです。

↑温室で特に気になった花たち。
両端は、花が咲いていた多肉植物。
左から2番目の写真はヒスイカズラのつぼみ。
細長く垂れ下がる花穂は1~2メートルに及び、
少し顔を出している先端のエメラルドグリーン色の突起が花です。
例年3月ごろが開花期とのことで、
今年はすでに50本ぐらい花穂が出ているそう。
全部咲いたら壮観だろうなあ。
右から2番目はポインセチアの花(推定)です。

↑四季の花園周辺で見かけた木の花たち。
左から時計回りに、
トサミズキ、アセビ、ボケ、ギョリュウバイ。
※いずれも推定です。
※ボケは日本庭園で咲いていたものです。

↑市民花壇沿いに咲いていたサクラたち。
左から時計回りに、
シキザクラ、カワヅザクラ、カンヒザクラ、ハルメキ。
シキザクラとカワヅザクラは散り際でしたが、
カンヒザクラとハルメキはまさに見ごろでした。
特に、
花が大きくて付きの良いハルメキは、
グラデーションのような色合いも華やかで、
見ているだけで幸せな気分に浸れました。
たくさんの人が写真に収めていましたよ。

↑芝生広場沿いに伸びたサンシュユの並木。

↑バラ園へ向かう道沿いには、
咲き出したユキヤナギが噴水のように揺れていました。

↑ユキヤナギ(左)とサンシュユ(右)。
サンシュユはほぼ満開で、
ユキヤナギはまだまだつぼみの方が多い印象です。

↑バラ園越しに、果樹園とツバキ園の方向を見たところ。
手前にあるバラ園は、せん定後にようやく赤い葉が出始めたところ。
左に見える白とピンクの花は果樹園のウメ、
真ん中奥に見える黄色い花は、
目指すクリスマスローズガーデンの目印(?)のサンシュユです。

↑まだまだきれいなウメの木。
一本の木に色違いの花が咲く
「思いのまま」も見ることができました。

↑隣のツバキ園では、
花が終わってしまった木もあったようですが、
思ったよりたくさんの花たちに出合えました。

↑ツバキ園の南東にある散策路を横切って、
いよいよ「秘密の花園」クリスマスローズガーデンへ。

↑入り口の看板。
約1000株のクリスマスローズが植栽されているそうです。

↑少し近づいたところ。
白や赤紫色の花が多い印象。

↑よく見ると、
花姿は結構バラエティに富んでいるようです。

↑花びら(正確にはガク)の色がリバーシブルのように見える花。
外面が赤色で、内面がクリーム色をしています。

↑白い花たち。
八重咲き(左)と一重咲き(右)。
何だか雰囲気が全然違いますね。

↑紅色の花たち。
一重咲きと八重咲きで違うというだけでなく、
花びらの形もそれぞれ違っているようで、
とても面白いです。

↑大きなウメのように見える花(左)と、
ツバキのように見える花(右)。
特に、
左の花は一つの株に紅色と白色の花が咲いていて、
「思いのまま」のようなところもウメに似ていますね。

↑黒っぽい紅色の花たち。
うつむき加減が深くて、
写真を撮るのに苦労しました。

↑黄色の一重咲きと八重咲き。
黄色の花は、葉の色も黄色っぽいようです。

↑黄緑色の花たち。
黄緑色というか、緑色というか。
花と葉っぱの色の区別がつきにくい花色です。

↑中心部が赤色の花たち。
少しクリスマスローズっぽくないというか、
特に真ん中の写真は、
花だけ見るとムクゲのようにも見えます。

↑覆輪(花びらのふちに違う色が入っている)の花たち。

公園のスタッフにお話をうかがうと、
植栽したクリスマスローズたちは勝手に交配し、
複数の品種の特徴を併せ持つ雑種も生まれているとのこと。

自然に枯死したり、
補充植栽したり、
自然に増えたり、
なんだりで、
大体1000株を保っているそうです。

バラエティ豊かな「秘密の花園」の実態に触れて、
とても豊かな気持ちになりました。

↑八重咲き6態。
花びら(がく)の形や色の出方にも細かな違いがあって、
見れば見るほど面白い!

↑同ガーデン内には、
クリスマスローズと相性の良いヒヤシンスやスイセンも
密やかに咲いていました。

クリスマスローズ(の花びらに見えるガク)は、
4月上旬ぐらいまでは楽しめるそうで、
すぐ近くに植えられているオオシマザクラとの共演も
毎年好評とのことでした。

また今年は同ガーデンの両側(南と北)にネモフィラファームを耕作。
もうまもなく爽やかな水色のお花畑が出現する予定とのこと。
こちらも楽しみです。

ほかにも、
公園内を散策していて目に付いた花たちを紹介します。

↑四季の花園とクリスマスローズガーデンで
咲いていたスイセン4種。

↑ハクモクレンの花(左・日本庭園にて)、
シモクレンのつぼみ(真ん中・日本庭園にて)、
シデコブシの花(右・四季の花園にて)。
※いずれも推定です。

↑シナマンサクの花(左・梅園脇にて)、
アカバナマンサクの花(真ん中・四季の花園にて)、
マンサクの花(右・四季の花園にて)。
※いずれも推定です。

↑左上から時計回りに、
成長したハボタンのつぼみ(四季の花園にて)、
ムスカリの花穂(日本庭園にて)、
咲き始めていたネモフィラの花(ネモフィラファームにて)、
タンポポの花(在来種・クリスマスローズガーデン脇にて)。
※いずれも推定です。

まだまだ枚挙にいとまがありませんが、
あまり長くなってもいけませんので、ここまでで。

今回も、
季節の移り変わりや、
自然と人の手間によって作り出される花たちの美しさに感動し、
心癒やされると同時に、様々なことに思いをいたす時間を
過ごさせていただきました。

こんな空間をいつまでも大切にしていける世の中でありますように。

感染症には十分気をつけて(油断は禁物です)、
四季のある日本ならではの旬の花を楽しみましょう。

取材日:2024年3月16日

DATA

西山公園

愛知県豊田市西山町5-1
TEL:0565-31-2108(西山公園管理事務所)
※午前9時~午後5時開園、月曜(祝日除く)と年末年始定休。

交通アクセス

○公共交通機関
名鉄三河線及び豊田線「豊田市駅」からおいでんバス「藤岡・豊田線(加納経由)」に乗り、「西山公園」停で降車、徒歩約1分。
◯車
東名高速・豊田ICから国道153号などを経由して北東へ約6キロ。
※無料駐車場あり。

取材担当プロフィール

まころーど
名古屋生まれ、名古屋育ち。
季節の移り変わりを観察するのが大好きなアラフィフ世代。新聞記事制作や、出版社にてガイド本等の制作経験あり。
現在は、旅や町ネタに関する記事を執筆しています。観光や販促のお手伝いも。