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モスクワ 警察株は底打たぬ!?

2008年12月16日

 支局のスタッフが新聞を読んでいて怒りだした。飲酒運転取り締まりで警官のわいろ強要がモスクワで横行との記事。「実は私もやられました」との彼の話を聞くと-。

 出勤途中の朝、警官がいきなり彼の車を停止させて「おまえは酒に酔っているな」とにらみつけた。酒を飲めないスタッフは当然「違う」。すると警官は、病院の住所録を突きつけ「検査してこい。酔っていないとの病院の証明書を持ってくれば免許証を返してやる」。哀れなスタッフにそんな時間はなく、やむなく100ルーブル(約370円)紙幣を渡した。

 相も変わらぬ警察のわいろ問題。背景には給与の安さがあるとの構造原因説を聞かされてきたが最近、こんな話も聞いた。確かに給与そのものは安いが、さまざまな臨時ボーナスが支給されて実はかなりの高額収入。何のことはない、悪らつな汚職体質から抜け出せないだけ。株価急落で経済のもろさを露呈させる、この国の本質だ。

 (中島健二)