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北京 懐かし“窓口の伝統”

2010年01月12日

 中国で暮らす外国人はこの時期、公安局で来年の居留延長を申請しなければならない。つきものが窓口でのトラブル。

 今年は、戸籍謄本の翻訳の提出が事前通告なしに義務づけられた。書類を受け付けてもらえず口論になる事例が相次いでいる。友人は公安局の指定業者で相場より高額で作成させられ「ぼったくりだ」と腹を立てた。

 当方の場合は、窓口の女性担当者が「書類がふぞろい。出直して」。こちらが「なくしたのはあなたでは」と言うと、まゆをつり上げ「居留証はいらないの?」。結局は先方の確認ミスだったが謝罪などない。ぶっきらぼうに居留証の引き換え書を投げてよこすや携帯メールを打ち始めた。

 20年近く前、初めて中国を訪れた時は両替や商店などあらゆる窓口がこんな感じだったが、最近は笑顔で「謝謝」とも言われる。久々の高飛車な応対に、妙な懐かしさを感じた。 (朝田憲祐)