2010年12月28日
ベルリン中心街のブランデンブルク門に爆音がとどろいた。自動車レースのF1シリーズで最年少の23歳で今季世界王者に輝いたドイツのフェテル選手ががい旋、ウイニングランしたのだ。
門から西へ延びる大通りの直線500メートル。気温3度と冷たく乾いた空気をつんざく甲高いエンジン音が近づく。詰めかけたファンに交じり身を乗り出すと、フェテル選手はタイヤから白煙を上げながらマシンをスピンさせて大声援にこたえた。
「ブランデンブルク門に向かってF1マシンで走るなんて普通じゃないことだね」と、フェテル選手も興奮。家族と駆けつけた市内の男性は「一直線で大したヤツだよ」とうれしそう。
この日のイベント後、フェテル選手は同国西部まで飛び、レーサーの国別対抗戦に出場。ドイツは4連覇を果たした。耳に強烈な響きが残るうちに、もう一度驚いた。(弓削雅人)