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ソウル 旧盆の慣習から脱出

2017年12月11日

 韓国で旧暦のお盆にあたる「秋夕(チュソク)」。今年は他の公休日や土日とうまくつながった上、谷間にあった平日が臨時公休日に指定されたため、カレンダー通りに休めば9月30日~10月9日の10連休となった。

 人々は故郷に帰省し、集まった親族とだんらん。一般の商店も休業するため、事前に食材を大量に買い込み家庭料理を家族で囲む-。これが教科書で習う秋夕の過ごし方。だが、近年は少し事情が違うようだ。

 まず今年は特に、連休が長いため海外に出る人が多い。連休前、仁川(インチョン)国際空港の出入国者は過去最多の195万人余りに上るとの見通しが示された。

 生活習慣の変化もある。ソウルに上京した後、帰省をいとう若者が増え、その若者向けに飲食店が連休中も営業。こうしてそこで働く若者は帰省できない-という連鎖があるらしい。

 ある韓国人女性は、女性の手間の多さが原因だと言う。「料理だけならまだしも、親族と気を使い合いながら家事をするのが疲れる」とのこと。今年からは夫に頼み「秋夕は海外脱出」に決定。「そういう人が今後、さらに増えるんじゃない」と話した。 (上野実輝彦)