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パリ いつか満席の会場で

2018年08月09日

 フランスのパリのローランギャロスで5、6月に開かれたテニスの全仏オープン。女子ダブルスで四大大会としては史上初めて、日本人ペアである穂積絵莉・二宮真琴組が決勝に進出したが、試合のあるセンターコートを訪れて目を疑った。客席は2割も埋まっていない。

 第6シードのチェコペアと対戦した決勝は、穂積・二宮組が第1セットで先にブレークする快調な滑り出し。相手の強打やネットプレーに翻弄(ほんろう)されてミスが相次ぎ敗れたが、一歩も引かない姿は観客を魅了した。

 「2人が声を掛け合う姿は印象的で、良い試合だった。シングルスとは違う面白さがあるね」。ドイツから観戦に訪れたマーカス・ディールさん(35)が空席の多さを残念がる。観戦の本命は男子シングルスだったが、女子ダブルスの決勝も思わず終了まで見たという。

 試合後の会見で、穂積選手は第1シードのペアを破った準々決勝などを振り返り「準決勝までのプレーをすれば、勝てない相手はいないと心底思えた」と語った。息の合ったプレーでファンをひきつける。女子ダブルスの未来を予想させる力強さではあった。 (竹田佳彦)