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モスクワ いつまでも「お嬢さん」

2019年04月01日

 「ヂェーブシカ、ヂェーブシカ、と売り子さんに声を掛けられて大変だった」。市場に買い物に行ってきた妻がそう話した。

 「ヂェーブシカ」の意味を、ロシア語の辞書で引くと「若い未婚の女性」や「お嬢さん」の意味。しかし、実際は幅広い年齢に対して使われている。レストランやカフェでは、ウエートレスを「ヂェーブシカ」と呼び止めるのが一般的だ。

 一体、何歳までをそう呼ぶかは、線引きが難しい。ロシア人に言わせると、「世の中には『ヂェーブシカ』と『バーブシカ』(おばあさん)しかいない」のだという。

 先日、一つの指標となる世論調査結果が発表された。ロシア人が老いが始まると感じる年齢の境目は、平均で63歳とのこと。であれば、その年齢まではヂェーブシカと呼ぶべきなのだろう。

 ちなみに男性の場合は「マラドーイ チェロビェク」、そのまま「若い男」の意味だ。40を超えた私もいまだにそうだ。何だかくすぐったいが、呼ばれなくなると寂しい気もする。こうした心情が、このややこしい呼び方がすたれない理由なのかもしれない。 (栗田晃)

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