2020年04月15日
ニューヨークのブルックリン植物園にある日本庭園を訪れた。米国では各地に日本庭園があるのだが、この植物園には100年以上前の1915年につくられた全米で最も古い日本庭園がある。日本にいたころから庭園が好きだったので、いつか訪ねてみたいと思っていた。
門をくぐると、大きな池を中心とした庭園が広がる。池の周りにはマツやヤナギなどの木々が生い茂り、赤い鳥居や灯籠も配置され、本格的だ。池を泳ぐコイを間近に眺められるあずまやは、いろんな人種の家族連れやカップルでにぎわっている。
雲ひとつない好天の下、庭園を散策した後、池のほとりのベンチに腰掛けた。色づいたモミジを眺めるのも趣があるのだが、目を閉じてみると、いろんな音がはっきりと聞こえてくる。スズムシのような虫が鳴く音、滝から流れる水の音、木の葉が風でザワザワと揺れる音…。
庭園を訪れたのは、まだ秋の比較的暖かい日だったので、少し汗ばんだ首筋をそよ風が吹き抜けるのも気持ちいい。これらが合わさって心の静けさや落ち着きが感じられる。異国の地で日本庭園の魅力をあらためて実感した一日だった。(白石亘)