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ロンドン 北欧の友 語った本音

2020年09月21日

 新型コロナウイルスが猛威をふるっていた4月初旬。スウェーデンは、他国のように街を封鎖していないと知り、首都ストックホルムに暮らす友人カリンに連絡を取った。

 「国民は、科学を礎にした国の判断に絶対の信頼を寄せている」と、彼女は言った。ノーベル賞授賞式の取材で訪れた、落ち着いた街並みを思い出す。政府も国民の自主性を尊重。街を封鎖せずとも、高い意識で死者を抑え、集団免疫を獲得できるともくろんでいた。ただ、カリンの婚約者カールの発言が、ずっと心に引っ掛かっていた。

 「スウェーデン人も政府も自分たちは他国より優れ、進歩的であり、常に正しい選択をしていると思い込んでいる。私はいら立ちを感じるが、この感情はたいていの人とは共有できない。ここでは、科学に基づく政府の方針を批判したとたん、フェイクニュースをまき散らしていると言われるんだ」

 あれから3カ月、スウェーデンの死亡率は世界有数の高さで経済は落ち込み、集団免疫は程遠い。国民はようやく、政府方針に異議を唱え始めた。多くの犠牲を、どんな形でも無にしてはならない。 (沢田千秋)

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