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台北 時の移ろい 思う閉館

2020年09月30日

 台湾の馬英九(ばえいきゅう)前総統が重要事業と位置づけながら、馬氏が退任した後の2016年12月に台北市に開館した、通称・慰安婦博物館が今年11月に閉館することになった。

 同施設の正式名称は「アマの家−平和と女性人権館」。アマはおばあさんの意味。カラスミを売る乾物屋などが並ぶ同市最大の問屋街で、観光スポットでもある迪化街(てきかがい)の外れ近くにある。開館時は台湾メディアに大きく取り上げられ、記録映画も作られた。

 「なぜ、閉館?」。久しぶりにのぞいて係員に聞くと、「毎年の赤字が、400万台湾元(約1500万円)以上にもなります。入館者が減ってるんです」。この日は日曜日なのに入館者は数人だけだった。開館式に駆けつけてあいさつした馬氏の国民党政権は「反日的」ともいわれたが、親日ともいわれる民進党政権に変わって久しいせいもあるのか。

 館内の陳列品は少ない。他界した元慰安婦の写真や文章などがある程度で「博物館」の名は少し大げさ過ぎる印象。台湾で慰安婦として認定されたのは58人で、係員によると、存命は2人だけ。慰安婦は歴史になりつつある。 (迫田勝敏)

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