2009年07月29日
モスクワ暮らしで閉口することのひとつに、交通渋滞がある。
道路整備の遅れもあるが、腹が立つのは大統領や首相専用車が通るたび、幹線道路の通行が規制され渋滞に拍車をかけることだ。
ロシア人はとっくに慣れっこだと思っていたら、先日、下院議会で野党議員がかみついた。
「市民より首脳の利益の方が大事なのか。こんな規制は文明国では少数派だ」
政府側には「要人の安全は重要だ」とあっさり退けられたが、よくぞ言ってくれたと、ひざを打った。
知人のロシア人によると、ロシアでもほとんどのドライバーは規制を苦々しく思っているようだ。が「何を言っても変わらないよ」とあきらめムード。
プーチン首相の愛車は40年前に生産されたロシア車らしいが、知人は言う。「そんな車が動くわけないだろ。自分で運転したことがない証拠だよ。渋滞のつらさが分かるもんか…」 (酒井和人)