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旧台中駅舎と扇形車庫

旧台中駅舎と扇形車庫 台湾台中市 日本統治の遺産 今も

1922年建設の彰化扇形車庫。今も現役だ=台湾・彰化県で

1922年建設の彰化扇形車庫。今も現役だ=台湾・彰化県で

 真新しい駅舎を出ると、レトロ感あふれる赤れんがの旧駅舎が目に飛び込んできた。ミニ東京駅というたたずまいで、どこか懐かしい。場所は台湾中部の拠点都市、台中市。台湾鉄道(台鉄)の旧台中駅舎は日本が台湾を統治していたころの1917年の完成。100年前の駅舎だ。2016年10月に隣に建設された近代的なコンクリート造りの新駅舎に役目を譲り、文化財として保存されている。

 旧駅舎は東京駅を設計した辰野金吾の流れをくむ「辰野式」の様式とされ、設計は台湾総督府鉄道局に勤務していた建築家の松崎万長(まつがさきつむなが)(1858~1921年)とされている。

 中央に時計塔、赤れんがと白い石材のリズム感、回廊はコンクリート製のアーチを多用し、ギリシャ、ローマを思わせる装飾がふんだんに施されている。当時の和と洋を融合させようとする精神が伝わってくる。

 この日朝、台北駅を高速鉄道(高鉄、台湾新幹線)で出発、高鉄・台中駅で、在来線の台鉄に乗り換えて来た。高鉄、台鉄は別組織で運営され、それぞれ台中駅があるので注意がいる。高鉄・台中駅を3番出口で出ると、台鉄・新烏日駅への連絡通路になっており、乗り換えに迷うことはない。同駅から台鉄・台中駅は普通列車で4駅目だ。

日本統治時代の1917年完成の旧台中駅舎=台中市で

日本統治時代の1917年完成の旧台中駅舎=台中市で

 赤れんがの旧駅舎を見た後、特急で1駅目の彰化駅(彰化県彰化市)へ。日本の梅小路機関車庫(京都鉄道博物館)とほぼ同じ扇形車庫が現役で使われている。彰化駅の出口を出ると、跨線(こせん)橋があり、渡った。跨線橋の上から目指す扇形車庫の一部が見え、歓声が聞こえてきた。急いで行くと、ディーゼル機関車が転車台の上で方向転換しているところだった。

 現役の鉄道施設ながら、ちょっとした鉄道公園として開放されている。上から俯瞰(ふかん)できるよう、展望台がある。転車台を中心に30本の線路が広がり、うち12本が車庫へと続く。車庫の屋根はそれぞれに煙突があり、蒸気機関車時代に建てられたことを物語っている。梅小路は1914年、ここは日本統治時代の22年の建設だ。蒸気機関車は前方、後方があり、転車台で向きを変え、多数の機関車を効率よく収容するため、扇形になったと説明されている。

 卒業や結婚の記念撮影スポットとして人気があり、老若男女でにぎわっていた。

オレンジ色の700系が真下を通る銀河鉄道望景餐庁=彰化県で

オレンジ色の700系が真下を通る銀河鉄道望景餐庁=彰化県で

 ここまで来たのだから、「銀河鉄道望景餐庁」という山の中にあるレストラン(同県社頭郷)に寄ろう。彰化駅から特急で員林駅(同県員林市)へ。タクシーの運転手に店名のメモを見せ向かった。タクシー代は日本円で約1000円。

 なぜ銀河鉄道-。すぐ下を高鉄が通っているからだ。東海道新幹線と同じ700系だ。日が暮れると、街の明かりの向こうに列車のヘッドライトが見え始めた。線路はやや湾曲し、近づくにつれ列車の窓の明かりで列車であることがわかる。来たと思ったら、轟音(ごうおん)とともに光の線になって通り過ぎていった。列車が通り過ぎるたび、歓声が上がった。銀河鉄道と呼ぶにふさわしいと納得した。

 訪れた時はしだいに雨がひどくなり、客は室内席に避難。それでもテラス席に何人もの客が陣取っていた。店のオーナー陳昌煥さん(55)は「最初の夜に見た時、インスピレーションがわいて、銀河鉄道と名を決めた。日本からも大勢が来てくれて、うれしい」と話していた。

 タクシーを呼んでもらい、高鉄・彰化駅へ。タクシー代は約1000円。同駅に午後8時に着いても、台北に戻る列車は同10時すぎまで何本かある。

  文・写真 草間俊介

(2019年4月5日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
台北へは日本各地から定期便がある。
台湾高速鉄道で台北-台中駅は普通車指定席700元(1台湾元=約3.6円)、彰化-台北駅は同820元。
台湾鉄道は新烏日-台中駅が普通車15元、台中-彰化駅は特急指定席40元、彰化-員林駅は同33元。

◆問い合わせ
高鉄、台鉄とも日本語ホームページがある。
観光情報一般は台湾観光協会東京事務所=電03(3501)3591=へ。

おすすめ

彰化扇形車庫展望台

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台北市2階建て観光バス

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★彰化扇形車庫
開放時間午後1~4時(土日休日は午前10時から)、月曜休み。
施設管理のため今年は8日~5月7日休み。展望台も含めて入場無料。

★銀河鉄道望景餐庁
営業時間は午後5時~午前0時(土日休日は午前11時から)。
火曜休み。
室内200席、テラス400席。
土日休日はほぼ満席になるので、早めに行くのが無難。
予約は電話で。
日本語不可なのでホテルのコンシェルジュらに予約を頼もう。
電04(872)1022(台湾)

★台北市2階建て観光バス
台北駅前の発着で同市内の故宮博物院など観光スポットを巡るオープントップバス。
観光スポット前にそれぞれバス停があり、各バス停で4時間乗り降り自由で300元など。
時刻表など詳細はホームページ=「台北市2階建て観光バス」で検索=で、ここからチケットも購入できる。

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