ジャンル・エリア : オブジェ | 展示 | 愛知 | 歴史 2022年09月28日
鳥取市内の国史跡「青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡」で出土した人骨を元に、弥生人の顔を復元した像が27日、清須市のあいち朝日遺跡ミュージアムにやってきた。鳥取県が昨年始めた「そっくりさん」募集で注目を集めたことをきっかけに、全国の博物館を巡回しており、東海地方では初めての公開となる。同じ顔のおめんで、記念撮影も楽しめる。
像の愛称は「青谷上寺朗(あおやかみじろう)」。復元した顔が公開された際に、交流サイト(SNS)で「知り合いに似ている」と話題になり、その後の公募で「そっくりさん」10人と愛称が決まった。さらに「弥生人に会いたい」との声が寄せられ、鳥取県が全国を回る「ミュージアムキャラバン」を企画。今回は大阪、愛媛に次ぐ3カ所目の訪問となった。
像は今にもしゃべり出しそうなほど「リアル」だ。制作時は脳まで残っていた状態の良い頭蓋骨を基に、骨のレプリカ作りからスタート。上から皮膚となる粘土を貼りつけ、型を取って成形した。太めの髪は、歯から採取したDNAを調べた上で再現したという。
展示室には像のほか、遺跡の歴史を紹介するパネルや、発掘された頭蓋骨のレプリカ、漁や祭祀(さいし)の道具なども並ぶ。土産売り場では「青谷上寺朗」を心和むイラストにして印刷したせんべい=7枚入り税込み300円=も限定販売している。
展示を楽しみに、横浜市から訪れた男性(72)は、像をじっくりとのぞき込み「髪形を変えたら、今にも通じるような顔をしているよね」と興味津々。隣に並んで、記念撮影を楽しんでいた。
展示は10月16日まで。入場無料。最終日は鳥取県の担当者が遺跡の歴史について話す講座「日本海を望む弥生の村と人々」を開く。予約は2日まで、公式ウェブサイトなどで受け付ける。申し込み多数の場合は抽選。(問)あいち朝日遺跡ミュージアム=052(409)1467
(寺田結)