ジャンル・エリア ： 富山 | 展示 | 川 | 歴史 | 自然　 2023年03月31日

映像と連動したジオラマのプロジェクションマッピングで黒部峡谷の歴史や自然の美しさを伝えるメイン展示物＝黒部市の黒部川電気記念館で

映像展示やジオラマ　水力発電も発信

　黒部市黒部峡谷口の関西電力黒部川電気記念館が改修工事を終え、３１日にリニューアルオープンする。１９１７（大正６）年に始まった黒部川の電源開発の歴史と先人の苦労を伝える従来の目的に加え、新たに脱炭素社会実現に向けた水力電力の有用性の発信も図った。　（松本芳孝）

　黒部峡谷の歴史や自然を高さ２．４メートル、幅５．８メートルのスクリーンに映し出す約６分の動画と、連動してプロジェクションマッピングされる黒部ダムから黒部川扇状地の入り口までのジオラマが新しいメイン展示物。ジオラマは縮尺１万６０００分の１で、標高差のみ平面の１．５倍にデフォルメしている。

　黒部、仙人谷、小屋平、出し平、宇奈月の５つのダムを縮尺３００分の１の模型で示し、ダムや水力発電にちなんだ３問のクイズに答えるコーナーも新設。全問正解すると「Ｃｏｎｇｒａｔｕｌａｔｉｏｎｓ！（おめでとう）」の文字と虹の映像が出る。クイズは５つのパターンがある。

　黒部川の魅力や館内の見どころを示す約２分の動画を高さ２．５メートル、幅３．６メートルのスクリーンで上映する「ブリーフィングステーション」も設けた。

　同館で３０日にセレモニーがあり、関西電力北陸支社の久米一郎支社長は「今年の宇奈月温泉開湯１００周年と、来年の黒部宇奈月キャニオンルート一般開放に向け、いいタイミングでリニューアルができた。地域のにぎわい創出に協力できたらうれしい」と述べた。

　同館は１９８７年４月に開館し、９６年度と２０１１年度にも改修している。開館時間は４月１８日～１１月３０日の夏期は午前７時半～午後６時、１２月１日～４月１７日の冬期は午前９時～午後４時。冬期のみ火曜休館。入場無料。