ジャンル・エリア : グルメ | 三重 | 特産 2023年05月17日
菰野町田光産の「田光はちみつ」が採蜜の最盛期を迎えている。地区の有志らでつくる「菰野町みつばちプロジェクト」のメンバー6人が養蜂に取り組み、ミツバチの働きによる地区の自然保護と、蜂蜜の新たな町の特産品化を狙う。 (篠崎美香)
シイやヤマザクラなどの樹木に囲まれた田光地区。2016年、ミツバチの授粉が生態系にもたらす役割に着目した諸岡忠之さん(76)ら3人が、作物の収穫増と里山の保全を目的に、セイヨウミツバチの飼育を始めた。
19年から町の助成を受けてプロジェクトを始動して蜂蜜を商品化。21年には御在所ロープウエイとコラボし、「御在所ロープウエイブランド」と銘打ち販路を拡大した。
生産している蜂蜜は、さまざまな花から蜜を集めた「百花蜜」で、糖度80度以上に限る。非加熱で純度100%のため、口当たりがまろやかで上品な甘さと花の香りが口に広がる。
今年は春先の気温が高くミツバチが増殖する前に花が咲き始めたため、蜜量を確保できるか心配だったが、例年通り量も品質も上々という。昨年より50キロ多い200キロの出荷を目指す。
4月末に始まった採蜜では、ハチの巣を遠心分離機にかけて蜜をしぼり出し、ろ過する。10日には、今年2回目の瓶詰め作業があり、手作業で120本に蜜を詰めた。諸岡さんは「ミツバチがもたらす純粋な味を堪能してほしい。恵みを絶やさぬよう豊かな自然も守り続けたい」と話した。
出荷は6月まで続く。蜂蜜は御在所ロープウエイの売店「ベルフォレ」と通販サイト「カモシカ商店」で販売中。150グラム税込み1000円。