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【静岡】ブラボー 卒コロナの響き 音楽を聴きに静岡市へ

ジャンル・エリア : イベント | グルメ | 特産 | 芸術 | 静岡  2023年06月01日

「五味八珍」のラーメンとギョウザのセット。ラーメンは豚骨味です。

「五味八珍」のラーメンとギョウザのセット。ラーメンは豚骨味です。

 静岡市に行って来ました。「大河ドラマ館かなあ?」と思った方、はずれです。私は大河ドラマがあまり好きではなく、「静岡にいま行くならぜひ、富士山静岡交響楽団を聴こう」と思う者なのです。
近年、成長著しい楽団です。

 新幹線で静岡駅に着いたらまずはお昼ごはん。駅ビルの「五味八珍」に向かいます。浜松餃子(ぎょうざ)の人気のお店です。今回は豚骨ラーメンと餃子のセットにしました。

 私がこの店を好きなのには理由があります。店内にある張り紙などで以前から、来店した子ども連れのお母さんにこう呼びかけているのです。「お子さんは散らかすことの名人です(中略)テーブルの上や席の周りの汚れ等を一切お気になさらないで下さい。私共店の者がかたづけます。私共の店にいらした時ぐらいゆっくり召し上って下さい。お母さん!」。心の中までも温かくなるようなひととき、ごちそうさまでした。

木のブックカバー。自宅の本棚で撮影しました

木のブックカバー。自宅の本棚で撮影しました

 食後に駅ビルの中のお店をあちこち見て回っていると、本屋さんの一角でこんなのを見つけましたよ。木でできたブックカバーです。

 静岡県は木工工芸も盛んな土地柄。さすがですね。すぐ1つを買い求めました。本の好きな妻が愛用いたします。

 この日の演奏会は、静岡駅近くにある「しずぎんホールユーフォニア」が会場です。名匠・高関健さんの指揮で、交響曲三十五番「ハフナー」に「ファゴット協奏曲」と、おしまいには交響曲四十一番「ジュピター」。<オール・モーツァルト>の選曲です。

 静岡と浜松に拠点のあった小さな楽団が合併してできたオーケストラ。規模も小さく経営も苦しいと聞きますが、すばらしい演奏でした。最後には、この数年間は感染症の拡大防止のために禁じられた「ブラボー」という叫び声も聞かれ、「ああ、コロナ禍が一段落したんだ、演奏会場でお客さんも叫んでいいようになったんだなあ」としみじみありがたく思いました。

 この日の公演は、カーテンコールにかぎりスマホで撮影してよいとのことでしたので私も1枚。高関さんが楽員と握手をして退場する、ちょうどその瞬間です。

 この日、ホールの近くでは商店街のイベントが開かれていました。風船釣りの屋台やハンドクラフトの店が並び、とても楽しそうです。知らないまちに行くときには下調べしますが、この催しはまるで知りませんでした。

演奏を終えて拍手を浴びる富士山静岡交響楽団と、指揮の高関健さん(中央)

演奏を終えて拍手を浴びる富士山静岡交響楽団と、指揮の高関健さん(中央)

 こうした予期しない光景に出合えることは、お出かけの醍醐味(だいごみ)です。読者の皆さまも長かった「コロナ自粛」から解放されて、あちこち気軽に足を運んでいただければ、と願っています。 (三品信)

▼ガイド 静岡駅の「五味八珍 静岡パルシェ店」の餃子とラーメンのセットは1155円でした。(電)054(204)5381。木のブックカバーは木の繊維をほぐして固めた素材を使っていて、1833円でした。浜松市の「ザ・セカンドライフラボラトリ」の製品で、詳細はホームページで。富士山静岡交響楽団は、定期演奏会を静岡市のJR清水駅に近い「静岡市清水文化会館マリナート」と、浜松市のJR浜松駅に近い「アクトシティ浜松」などで開いています。詳細はホームページで。

(中日新聞夕刊 2023年6月1日掲載)

静岡駅近くの商店街のイベント

静岡駅近くの商店街のイベント